No. 106 RE100

2019/12/17 更新   環境通信のトピックス

RE100は企業が自社の使用電力を100%再生可能エネルギーから使用することを目指す、国際的イニシアティブで、「Renewable Energy 100%」の頭文字を取って「RE100」と呼ばれています。今回は日本でいち早く「RE100」に加盟した株式会社リコー社の取組みをご紹介します。

 

【リコー社の取組み】

2015年にSDGsが国連で採択され、世の中的に社会課題に取り組まない企業は淘汰されるという背景があり、まずはSDGsの意義を取り入れ、取り組むうちにひとつの具体的な指標としてRE100に加盟しました。

リコーは環境に関しては70年代から取り組んでおりましたので、その延長線上的にすんなりと落とし込みことが出来ました。自社で再エネ100%をすればいいのですが、我々のノウハウをお客様にご紹介し、それを実行して頂いて、支援するビジネスをしています。当社の保有顧客は国内に110万件、海外含めて500万件のお客様がいらっしゃいますので、我々のノウハウをお客様に同じ取組みをして頂ければトータルとしてCO2が削減出来るのです。

リコーの強みというのは、顧客ベースが数多くあり、そこにプライマリー(アカウント)セールスとしてお客様ごとに必ず担当営業が付いています。ですから、お客様それぞれの環境を見ながら営業を日々やっており、その面の展開力を活用してSDGsをすすめていこうとしています。

具体的な日本での事例というのは包括連携協定というのをして、いろんな地方公共団体と連携をしています。ニュースリリースに毎月、どの機関と連携協定結んだかお知らせをしており、現在30数団体、例えば大阪府とか宮城県や御殿場市なども連携協定を結びました。現在は京都大学とSDGsを一緒に取り組みをしており、民間企業や公的機関と技術交流や、森林・川の管理などのエネルギーで創エネをする活動をして行こうとしています。SDGsを宣言しただけではなく、具体的に民間や公的機関と宣言したことに基づき活動しているのです。

 

【RE100参加の理由・意義】

・電力需要家の立場から再エネの必要性を意思表示、供給側の変革を促す。

・ESG投資、各種企業評価制度における評価向上に繋げる。

・再エネの積極活用の企業姿勢をグローバルに明示し、社内の意識づけを図る。

・推進中の省エネ、創エネなどエネルギー関連ビジネス展開の後押しを図る。

 

【環境ベンチャーとのかかわり】

ベンチャーの方々は技術やノウハウを持っていらっしゃるので、それをシェアして頂いて、我々独自の展開によってスピーディーに広めていくのが出来れば、社会的意義は大きいと思っています。そういう意味でも当社の御殿場の施設に来て頂きたいです。まずは理解して頂いて当社のこの技術が使えるのではないかとご紹介頂ければ良いかと思います。

 

【具体的な取組み】

各都道府県にリコーの支社があり支社ごとにいろんな取組みをしています。岐阜県の支社ではRE100を達成する為に太陽光パネル設置し、省エネや創エネをすることによって、現在、系統からの電力は25%しか使用しておらず、自社の太陽光パネルで生み出した電力で75%もまかなっています。日本全国の支社に先行してゼロエナジーエナジービルディングとしています。200箇所位拠点があるのですが、各拠点でも実践して近隣のお客様もお連れし、ショールームにして観て頂こうとしています。

エネルギー周りだけではなく、活動としては海洋プラスチックの課題を解決や、森林保全など色々なことに取り組んでいます。各拠点の社員が間伐をして森林保全の活動や、フェアで環境メッセージを書いて頂くとメキシコのマングローブの森にメッセージ1つごとに1本苗木を植樹する活動もしています。

環境負荷低減は範囲が広すぎて、ビジネスに展開しようとしているのはエネルギーまわりです。SDGsの7番と13番にあたります。汚染予防を取り組んで行くので我々のプロダクツに対し有害物質がないか調べていくようにしています。

 

【これからの取組み】

もともと我々はコピー製品を扱う会社なので、環境がビジネスに繋がるのか疑問に思っておりました。エネルギーに関しては確実に企業も個人も膨大なお金を払っています。コピー機のレンタルやトナーの交換より、圧倒的にエネルギーのコストの方がいっぱい使っています。だとしたらそこを安くクリーンにすることが出来れば、社会的貢献的にも大きいと思います。もちろんコピー機自体も省エネ性能が上がってきていますがお客様にとっては大差ないので省エネ創エネに取り組まないといけないと思います。

電力販売もしています。先日の台風による停電で問題になったように、電気が無いと何もできないので、企業としてしっかり取り組んで行こうと思います。

 

【環境事業開発センターについて】

もともとは1985年にコピー機のマザー工場としてオープンしましたが、2013年に工場は海外(中国、タイ)に移転しました。国内工場は2年間閉鎖しておりましたが、改めて環境やエネルギーの事業開発、技術開発をする拠点として2016年4月にリニューアルオープンしました。場所は富士山の麓で東名高速の御殿場インターを降りて10分ほど車で走ったところにあります。10万㎡(東京ドーム2個分)の面積です。

現社長の山下が副社長の時にリニューアルオープンしたので、社長としても思い入れがある拠点となっています。

ここでは3つ大きな機能があり、1つはエネルギーの課題を解決する事業開発の実証実験をしています。創エネルギーの木質バイオマスの利活用やマイクロ水力発電や室内光で発電する素子とか、創エネに関してのテーマを実施しています。省エネについては照明空調の制御システムや、工場向けの省エネ制御のシステム、あとは次世代栽培の植物工場などのテーマをやっています。

2つ目は、敷地のほとんどはコピー機のリユース・リサイクル、循環型社会への実現です。日本全国から集まってきたコピー機を回収→選別→分解→洗浄→組み立て→品質監査をして、またお客様にお届けする、工場のラインを観て頂きます。

コメットサークルという概念で一番環境負荷が少なくて経済価値が高いのがお客様の中で自家使用して頂くのが一番のですが、メーカーまで回収してきた製品そのものを再生してまたお客様にお届けするというそういうループです。

品質上出来ないものに関しては部品だけ残して再生して、また製品に組み込んでお客様にお届けするというループ、それも出来ない材料は再生してケミカルリサイクルとして化学分解してまた使い、最終的には埋め立てる。こういういろんな再生ループを出来るだけ大きな単位でやっています。この考え方は1994年にコメットサークルとして始まり、この考え方に則って、コピー機、プリンター、トナーカートリッジの再生をしている拠点です。こちらは工場見学的な面白さがあると思います。

あとは見せる拠点としてシアタールームで環境事業に取り組む姿勢や大義を動画でお見せします。例えば、ここで環境に関するメッセージを書くとその宣言ひとつについてアフリカに植樹するといった取り組みもしています。壁紙のプリンターにプリントアウトして見て楽しめるようになっています。学校の社会科見学や修学旅行なども受け入れています。

以上の設備を3時間半位のツアーでご紹介します。是非いらして下さい。

 

【編集後記】

環境ビジネス総合研究所では、環境意識が非常に高く最先端な環境取組みをしている、株式会社リコーの環境事業開発センター(環境技術実証施設)への見学ツアーを企画しました。こちらはOA機器業界で世界最大規模のリユース・リサイクルの拠点で、11.5万台を回収し、1.5万台を再生しているそうです。環境取組みやリサイクル工場など様々な展示を見学します。

株式会社リコー 環境事業開発センター
https://jp.ricoh.com/environment/eco_business_center/

 

 

記者:アーバンシステム㈱ 岩松