No. 114 異常気象

2021/08/25 更新   環境通信のトピックス

 先日まで猛暑日が続き異常な最高気温を更新したかと思ったら、線状降水帯と呼ばれる集中豪雨が発生し、河川の氾濫や土砂災害など、至る所で自然災害が発生しました。

 異常気象の定義は、過去に経験した現象から大きく外れ、一生の間にまれにしか経験しない現象を言います。ある場所・ある時期の30年間に一回の頻度で発生する現象が原則とされているので、その現象が最近頻繁に起こっているというのは本当に異常な事態です。

この異常気象の要因は地球温暖化による影響とされています。世界でも、今年に入って、史上初めて南極の気温が20度を超えたり、乾燥による自然発火で森林火災が発生し、オーストラリアでは日本の国土の約3割にあたる面積が消失しました。洪水、竜巻、熱波、干ばつ、海面上昇、異常気象による被害は数多く挙げられます。

【異常気象に関するキーワード】
まずは最近のニュースよく耳にしたワードをご紹介します。
(避難指示)今年の5月20日に災害対策基本法が改正され、これまで自治体から出されていた避難勧告と避難指示が「避難指示」に一本化され、警戒レベル4の避難指示が出たらすぐに避難を必要とするレベルとなりました。

警戒レベル5 命を守る最善の行動
警戒レベル4 「避難指示」→避難
警戒レベル3 「避難準備・高齢者等避難開始」→避難準備。高齢者は避難。
警戒レベル2 「注意報」→避難行動の確認
警戒レベル1 「警報」など→心構えを高める

(線状降水帯)次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲郡によって、数時間にわたってほぼおねじ場所を通過または停滞することで作られる、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。

(降水量)大気から地表に降った雨(氷含む)のその場に溜まった深さを示したもので単位はmm(ミリメートル)。1時間で降った雨量が何ミリかによって雨の強さがわかる。
10~20mm やや強い雨。一面に水たまりが出来る。
20~30mm 強い雨。どしゃ降り。側溝や小さな川があふれる。
30~50mm 激しい雨。道路が川のようになる。崖崩れが起きやすくなる。
50~80mm 非常に激しい雨。滝のように降る。傘は役に立たない。車の運転危険。
80mm以上 猛烈な雨。大規模災害が発生する恐れがある。

九州、中国地方を襲った豪雨は降水量が100mmを超える地域もあり、非常に危険な状況が続いていました。このデータから見ると、いかに危険な大雨だったかわかりますね。

【異常気象災害にあわない為の準備と注意】
私たちは異常気象災害の被害に合わない為には日ごろから準備と注意が必要です。以下ご参照下さい。

・ハザードマップ
自身の今住んでいる場所がどんな地形でどんな災害のリスクが高いか事前に確認しましょう。どんな災害が予測されるかによって避難する場所を確認しておくことも重要です。
(ハザードマップ・国土交通省)
http://disaportal.gsi.go.jp/

・キキクル(大雨・洪水警報の危険度分布)
地図上のどこで危険度が高まっているかリアルタイムで色分けされています。最大危険度を示す色は濃い紫。この色になっている地域は重大な災害がすでに発生している可能性が高いです。ハザードマップと照らし合わせ、土砂災害や河川の氾濫が起きやすい地域では速やかに避難が必要です。
https://www.jma.go.jp/bosai/risk/#zoom:6/lat:34.524661/lon:131.671143/colordepth:normal/elements:land

・非常用持ち出しバックの準備
すぐに避難出来るように水や身の回りの物など非常持ち出しバックを用意しましょう。
(災害の備えチェックリスト・首相官邸)
http://www.kantei.go.jp/jp/content/000064513.pdf


【農業における様々な被害】
この異常気象による大雨の被害は数々ありますが、農業での被害をご紹介します。
農林水産省の7月20日時点の発表によると、1日~19日までの34都府県の大雨による被害額は109.8億円になるそうです。農作物等の被害は3.3億円で冠水や土砂流入による水稲、野菜、果樹の被害等で、農地や農業用施設の被害は56.6億円、ため池などの決壊等によるものです。しかし、8月もかなりの雨量で被害が拡大しているので更に大きな被害額になっているでしょう。
 また、世界では、アメリカデスバレーで54.4度と観測史上3番目の暑さを記録し、シチリア島では48.8度で欧州観測史上最高気温を観測しました。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は産業革命前に比べ2021~40年に世界の気温上昇幅が1.5度を超える可能性があると発表した。この影響を真っ先に受けたのが農業(食糧)分野で、国際商品の値動きを示すリフィニティブ・コアコモティーCBR指数が年初170ほどでしたが7月には220あたりまで上昇。6年ぶりの高値圏に上昇しました。
 シカゴの商品取引所では今月、小麦先物が高値を更新。大豆・コーヒー、砂糖の相場も高値で推移しています。異常気象に相場も大きく影響を受けています。
(IPCC  http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/ipcc/

 これから台風や長雨など気象に伴う影響や被害はあると思いますが、災害への対策をしっかりし、そして地球温暖化防止の為に個人でも社会でも出来る事を少しでも実践し「異常」と呼ばれる気象にならないように、そして住み良い地球になるように心がけて行きたいものです。

記者:岩松美千子