No. 120 オリンピックと環境問題

2022/02/28 更新   環境通信のトピックス

2月は中国の北京で冬期オリンピックが開催され、ウインタースポーツの熱戦の興奮がまだ記憶に新しいのではないでしょうか。オリンピックを目標に練習を重ね、予選を勝ち抜き、大舞台を迎えた選手皆さんの覚悟や意気込みまで伝わってきて、ジャンプノーマルヒルで小林陵侑選手が金メダル、スノーボードハーフパイプで平野歩夢選手が新技をしての金メダル、カーリング女子ロコソラーレの初の銀メダル獲得など、数々の熱戦に私たちも歓喜しました。(日本は金3個、銀6個、銅9個の合計18個ものメダルを獲得し、冬期五輪史上最大数だったそうです。)

さて、そんな感動のドラマを生んだオリンピックですが、開催準備や舞台裏には環境問題に配慮する為、様々な対処が取られていたそうです。
中国はCO2排出量が世界で最も多いと言われ、車の排ガスなどで空がかすみ、霧がかかったように視界が悪くなった映像を1度はメディア等で見たことがあると思います。その為特に、気候変動問題への対策として「低炭素」をコンセプトの1つに掲げていました。

①国家スピードスケート館
通称アイスリボンと呼ばれたスピードスケートやフィギュアスケートの会場で使用されたリンクは、製氷する冷媒にスケートリンクとしては初めてトランスクリティカルCO2を使用し、これまでの代替フロンより環境負荷の低く二酸化炭素排出量はほぼゼロとなりました。これは二酸化炭素排出量を抑えるとともに、排出された二酸化炭素を冷媒材として再利用します。電力も大幅に削減でき、電力量は年間約200万kwhも節約出来ます。
また、氷上の温度差を0.5℃以内にコントロールしており、競技によい効果が出るように設計されています。
参照:https://www.recordchina.co.jp/b885038-s6-c30-d0189.html

②グリーン五輪
電力は再生可能エネルギーである、風力・水力・太陽光のみを使用しました。
大会中に使用する車両のほとんど約85%は電気自動車や水素自動車を使用。なかでも水素自動車は1000台以上となり、多くが日本のトヨタの車両でした。
会場は出来るだけ既存の施設を再利用し環境負荷を抑えました。メイン会場は2008年の夏季大会で使用した北京国家体育場を使用し、建物周りにはりめぐらせたガラスは発電ガラスを使用し、ソーラーパネルとしての役割もあります。
参照:https://www.jiji.com/jc/article?k=20220125042547a&g=afp

③人工雪
ここまで環境に配慮した取り組みを紹介してきたがその反面、環境に影響を与えそうなものもありました。
スキーやスノーボードの会場となった場所は元々雪の降らない地域でした。そのため、会場に敷き詰める全ての雪が人工雪を使用しています。その量は約2億2300万リットルも利用したと言われ、膨大なエネルギーを使用されたそうです。また、人工雪を溶けにくくするために化学物質が混ぜられ、植物や土壌の汚染も気になるところです。
また、気象当局が降雪量を増やすために145発ものミサイルを打上げたそうです。
参照:https://vdata.nikkei.com/newsgraphics/beijing2022-snow/ 

また、現在ロシアがウクライナに軍事侵攻するなど、毎日のようにトップニュースとなっています。世界中から選手が一同に会してオリンピック競技を楽しむこの時期に平和を脅かされている現状に心が痛むばかりです。
SDGsの目標の16番に「平和と公正をすべての人に」とあります。持続可能な社会を実現する為に、世界全ての人々が平和で環境配慮してオリンピックを楽しみたいです。
参照:
企業はどう世界の紛争を解決し、平和を構築できるか・求められるSDGs目標16への取り組み
https://www.sustainablebrands.jp/news/us/detail/1195245_1532.html


記者:岩松 美千子