No. 128 COP27って?

2023/01/31 更新   環境通信のトピックス

 昨年11月に開催した「COP27」ですが、ニュースで見聞きし記憶に新しいかと思います。今回は「COP27」についてまとめてみました。世界や日本の気候変動対策への動向を参考にしてみてください。

【概要】
11月6日(日)から11月20日(日)、エジプト(シャルム・エル・シェイク)において、国連気候変動枠組条約第27回締約国会議(COP27)、京都議定書第17回締約国会合(CMP17)、パリ協定第4回締約国会合(CMA4)、科学上及び技術上の助言に関する補助機関(SBSTA)及び実施に関する補助機関(SBI)第57回会合が開催された。我が国からは、西村明宏環境大臣が2週目の閣僚級交渉に出席したほか、外務省、環境省、経済産業省、財務省、文部科学省、農林水産省、国土交通省、金融庁、林野庁、気象庁の関係者が参加した。
 気候変動対策の各分野における取組の強化を求めるCOP27全体決定「シャルム・エル・シェイク実施計画」、2030年までの緩和の野心と実施を向上するための「緩和作業計画」が採択された。加えて、ロス&ダメージ(気候変動の悪影響に伴う損失と損害)支援のための措置を講じること及びその一環としてロス&ダメージ基金(仮称)を設置することを決定するとともに、この資金面での措置(基金を含む)の運用化に関してCOP28に向けて勧告を作成するため、移行委員会の設置が決定された。(引用:外務省)


【どうしてCOP27って言うの?】
そもそも、「COP」というのは「Conference of the Parties」の略で、「国連気候変動枠組条約の締約国会議」という意味で、今回27回目の開催であったことから「COP27(コップ27)」と呼ばれています。
国連気候変動枠組み条約に加盟する約200か国の代表が集まり、地球温暖化を防ぐ枠組みについて議論します。


【テーマ】
COP27のテーマは大きく分けて3つありました。
① 気候変動への対策「適応」
化石燃料から再生可能エネルギーへの拡大をさらに進めるため、2030年までに年約4兆ドルの投資を行うことが盛り込まれました。

② 「損失と損害」資金援助
温室効果ガスを排出し気候変動の原因をつくっているのは主に先進国であるのに、洪水、干ばつ、森林火災などの気候変動が原因となった災害によって、開発途上国が大きな被害を受けています。そこで国際社会として、途上国を支援する基金として、事前防災から災害支援、技術的支援などを組み合わせた「日本政府の気候変動の悪影響に伴う損失及び損害支援パッケージ」を発表。さらに、パプアニューギニアと二国間クレジット制度(JCM)の構築について協力する覚書に署名を行いました。

③ 1.5℃目標に向けた「緩和」
パリ協定の「地球の気温上昇を産業革命前の1.5℃以内に抑える」という目標に向けて、温暖化ガス排出量をさらに削減する新しい目標が提示されました。2030年に、2019年比の43%削減を目指します。


【若者のためのブース設置】
今回のCOP27では「青少年と次世代」をテーマに「若者のためのブース」が初めて設置されました。国連の公式交渉区域であるブルーゾーンに設けられ、若者が主導する団体や、若者の参加を支援する組織によって運営され、ここで参加者たちは、ディスカッションや政策提言を行いました。

「Fridays For Future(未来のための金曜日、通称FFF)」という環境活動家グレタさんからはじまった世界的なムーブメントは、気候変動問題に行動が起こされていないことに抗議しスウェーデンの国会前で座り込みをしたことから始まりました。世界で環境保護活動を行い、日本でも約370名が活動しています。
COP27の開催前に、現地で気候変動対策を訴えるため、クラウドファンディングを実施。約400万円の寄付が寄せられ、現地に参加し、SNSを通し現地の中継や、メンバーのスピーチも発信されました。

日本からは、大学3年生の中村涼夏さんが、クラウドファンディングで得た資金でドキュメンタリー作品を制作し、化石燃料を使用する企業に対する若者の抗議活動をカメラで撮影し、参加者にインタビューを行いました。
中村さんは「気候変動について日本では政策がなかなか動かずもどかしさを感じるが、若者の姿を届けて、世界の流れや現場の熱量を届けたい」と話していました。


【日本は「化石賞」受賞】
「化石賞」とは、CAN(環境NGO「Climate Action Network」)が気候変動対策の取組みが後退していることを「化石」と表現して、気候変動に最悪の貢献をした国に与えられる賞です。COP27ではこの不名誉な賞を日本が単独で受賞しました。
受賞の理由は、化石燃料に対する世界最大の公的資金拠出国であること。日本は2019年から2021年に年間約106億ドル(1兆5,900億円)を拠出したためです。3年間の総額で318億ドル(4兆7,700億円)にものぼり、世界最大の金額でした。
化石燃料への投資は1.5℃目標の達成を阻むという国際的な認識にもかかわらず、日本は2030年以降もアンモニア混焼など石炭火力の延命ともいえる誤った解決策を他国に輸出しようとしていることに対し、世界のNGOから批判が集まりました。
日本を代表してトロフィーを受け取ったNPO法人・地球環境市民会議の土田道代さんは、この受賞を機会に「日本は世界のNGOが批判していることを知り、行動を改めてほしい。石炭などではなく再生可能エネルギーを普及させるために、必要な対策に知恵とお金を割いてほしい」と訴えていました。
しかし、化石賞の授与は、世界の市民社会からの日本への「期待」の裏付けでもあります。資金がない訳ではないので、誰のために、何のために使うのか。責任ある先進国としての姿勢が問われているでしょう。


【日本政府は?】
日本からは西村明宏環境大臣がCOP27に出席し、会合に参加しました。
そこで、「1.5℃目標の達成が重要であり、日本は、パリ協定の1.5℃目標と整合した長期戦略及びNDC(温室効果ガス削減目標などの国が決定する貢献)を既に策定しました。まだそうしていない国、とりわけ主要経済国に対し、更なる温室効果ガス排出削減を呼びかけます」と述べました。
しかし、この発言がグリーンウォッシュであると問題視されました。
それは、日本政府の「2030年温室効果ガス排出46%削減(2013年比)」という目標はグラスゴーの1.5℃目標にもパリの2℃目標にも整合していません。先進国に有利な負担基準で考えた場合でも、1.5℃目標達成のためには日本は2013年比で62%削減が必要で、1人当たり排出量の差異などの「公平性」を考慮した場合には、日本は2030年までに2℃目標達成には約90%、1.5℃目標達成には約120%の削減がそれぞれ必要だとしています。
第6次エネルギー基本計画では、2030年の電源構成として石炭火力19%、LNG火力20%、再エネ36~38%を目標としています。しかし、2031年度末の電源構成は石炭32%、LNG30%、石油2%、原子力6%、再エネ29%、電源種不明1%となり、現状では、「2030年GHG排出46%削減(2013年比)」も未達となる可能性が極めて高いとされるからです。

このように「損失と損害」において、基金の設立が合意されたことは高く評価されているが、先ほどの気候変動危機を乗り越えるための目標について問題視されています。


【まとめ】
国連は、各国が地球温暖化対策を強化しなければ、今世紀末には2.8℃まで上昇すると報告しています。これまで以上の政府での対策もちろんの事、地球温暖化を防止するために私達みんなが地球環境に配慮した行動を起こして行かないといけないでしょう。


記者:アーバンシステム㈱ 岩松 美千子