No. 129 エコツーリズム

2023/02/28 更新   環境通信のトピックス

春めいて暖かい季節となってきました。そんな陽気に誘われ、観光や美味しいものを食べる旅行に出たくなりますよね。今回は、せっかく旅行をするなら環境に配慮した「エコツーリズム」についてお話したいと思います。


まずは、環境省で紹介しているエコツーリズムの概要をご紹介します。
環境大臣を議長とした「エコツーリズム推進会議」(平成15年〜平成16年)ではエコツーリズムの概念を「自然環境や歴史文化を対象とし、それらを体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境や歴史文化の保全に責任を持つ観光のありかた」としました。
「エコツーリズム推進法」(平成19年法律第105号)においては、「自然環境の保全」「観光振興」「地域振興」「環境教育の場としての活用」を基本理念としています。
エコツーリズムとは、地域ぐるみで自然環境や歴史文化など、地域固有の魅力を観光客に伝えることにより、その価値や大切さが理解され、保全につながっていくことを目指していく仕組みです。観光客に地域の資源を伝えることによって、地域の住民も自分たちの資源の価値を再認識し、地域の観光のオリジナリティが高まり、活性化させるだけでなく、地域のこのような一連の取り組みによって地域社会そのものが活性化されていくと考えられます。
取り組みを進めていくことで、
「私が変わる」
自然の美しさ・奥深さに気づき自然を愛する心が芽生え、地球環境問題や環境保全に関する行動につながっていく
「地域が変わる」
地域固有の魅力を見直すことで、地元に自信と誇りを持ち生き生きとした地域になる
「そしてみんなが変わる」
私たちの自然や文化を守り未来への遺産として引き継いでいく活力ある持続的な地域となる。(引用:環境省)


このように、環境にエコの要素を組み合わせることで、自然環境を守りつつ、旅する人と地域の人の交流と、さらには経済効果を上げることにも繋がります。
そしてエコツーリズムは、SDGsの11番「住み続けられるまちづくりを」の中の11.a.「各国・地域規模の開発計画の強化を通じて、経済、社会、環境面における都市部、都市周辺部及び農村部間の良好なつながりを支援する。」に該当する取組みとなります。


また、エコツーリズムに似ているものに「グリーンツーリズム」があり、この取組みとよく間違われることがあります。グリーンツーリズムは農村部などで、自然・文化・人とのふれあいを楽しむことを目的としたもので、「環境保全」「観光振興」「地域振興」に赴きをおいたエコツーリズムとは少々異なります。


エコツーリズムのポイントは地域の環境保全への理解です。そこで2007年6月に「エコツーリズム推進法」が成立しました。観光は地域の自然や文化に触れ、環境保全に大きな関わりがあります。環境を保全しながら観光や地域振興を進めるための枠組みを定めたのがエコツーリズム推進法です。そこには旅行者が立ち入りを制限している場所に入り、自然を傷つけたり、汚した場合の罰則もあります。自然観光資源を守りつつ観光したいものです。


環境省では、魅力ある資源を地域のガイドさんに案内で楽しむことができる全国19の「エコツーリズム推進全体構想認定地域」を「エコツーリズムのススメ」で紹介しています。

各地で行われているエコツーリズムの事例をご紹介します。
① 奈良県川上村
「採りたての山菜で春を感じよう!」
https://g-tourism.jp/
春は一年で山菜がいちばん美味しい芽吹きの季節。山道を歩きながら山菜を採取し、地元料理人が調理します。自然のなかで採取したての山菜料理を味わいます。
食べられる山菜だけでなく、注意すべき毒草や山村ならではの珍しい植物も紹介します。



② 埼玉県飯能市
「高麗川を歩いてみよう!~リバーウォークで魚や川に訪れる動物の気持ちがわかる」
https://www.walkerplus.com/event/ar0311e459565/
奥武蔵の宝、高麗川を歩く体験ツアーです。ウエダーを着用し、水の中も歩くことで川とまわりの自然を体感しましょう。
川遊びの達人と一緒に歩き方から川のイロハを教わります。いつもは見下ろしている川の印象が変わります。



③ 鹿児島県屋久島
「屋久杉の森と歴史を巡る」
https://www.ynac.com/yakusugi.html
屋久島は、屋久杉の立ち並ぶ森と里に住む人とが密接に関係して暮らしてきた島。 その歴史を感じる森「ヤクスギランド」と当時の貴重な映像や道具が展示されている「屋久杉自然館」を両方見に行きます。ガイドさんの解説を聞きながら美しい森を巡ることができます。



④ 群馬県赤城山
「スノーシュー体験~足跡のない雪原へ!~」
https://www.akagi-trip.com/play/program/
スノーシューとは、スポーツタイプの西洋かんじきのことです。
スノーシューを履くと、深雪の山の中でも足が埋まらずに歩く事が出来ます。
誰も足を踏み入れていない真っ白な雪山で、遊びましょう!
点々とつく小さな動物の足跡や、冬の澄んだ景色を眺めて、壮大な自然を感じてください。

各団体がスノーシューツアーを実施しています。
また、赤城山頂エリアにある県立赤城公園ビジターセンターではスノーシュー、ストック、スノーブーツのレンタルを行っています。


⑤ 青森県
「当社オリジナルエコツーリズム」
アーバンシステムではお米作りを中心とした農作業体験を青森県の契約農家にて行っています。春は田植え、夏は生育確認、秋は稲刈りと四季を通じて体感できるツアーです。
特に夏は、青森県の伝統行事である青森ねぶた祭りに参加した後、現地農家にて、稲の生育状況、虫害や日照状況を確認したり、その時期に採れる野菜や果物を収穫してバーベキューやピザ作りを楽しみます。その他、虫採り、海水浴、資料館見学、温泉めぐり、体験できる内容は無数にあり、地産地消、食育、農業体験、里山体験、地域理解、歴史探訪、、、当社のオリジナルエコツーリズムは様々な要素を持っています。

エコツーリズムはその場所に行って体感することで、豊かな自然の緑や風を感じ、自然のありがたさや喜びを感じる素敵な機会となります。次の世代にもこの美しい自然を残すために、持続可能な社会の実現に向けて、旅をしながら様々な体験をするのはいかがでしょうか。きっと体験することで心も豊かになるでしょう。




記者:岩松 美千子