No. 133 サステナブルホテルとBIOホテル

2023/07/26 更新   環境通信のトピックス

 新型コロナウイルスが2類から5類へと引き下げられ、社会活動や生活様式もコロナ禍以前のように戻りつつありますね。様々な規制も解除されたので、全国各地でそれまで行われていたイベントが復活し、今年の夏はお祭りや旅行など楽しみにされている方も多いのではないでしょうか。
 そこで、せっかくレジャーや観光を楽しむなら、環境に配慮し持続可能な社会実現をめざす取組みを行っている、「サステナブルホテル」や「BIOホテル」と呼ばれる施設に宿泊してみるのはいかがでしょうか。まずは、サステナブルホテルとBIOホテルの違いをご紹介します。


【サステナブルホテル】
環境保護と地域社会への配慮を重視しながら、持続可能な観光産業の発展に貢献するため、下記の取組みをしています。

  1. エネルギー効率:再生可能エネルギーの使用や省エネルギー設備の導入により、電力消費を削減しています。

  2. リサイクルと廃棄物管理:廃棄物の削減とリサイクルを重点におき、環境への負荷を軽減しています。

  3. 水の使用削減:節水設備や排水の再利用システムを導入し、水資源の有効活用をはかっています。

  4. 地元産品の利用:地域の農産物や食材を使用し地域経済の活性化や、輸送によるCO2削減をしています。

  5. 社会的貢献:地元のコミュニティなどと協力して地域へのポジティブな影響をもたらすプログラムやイベントを実施しています。

  6. 環境教育:エコツアーの実施や情報提供など環境へ配慮した啓蒙活動を実施しています。


【BIOホテル】
世界で唯一ホテルへの厳格なBIO基準を設けており、エコな取組みをしただけではなくビオホテル協会より認定を受けて初めてBIOホテルと呼べます。日本では、ドイツ・オーストリアの協会の公認を受けたBIO HOTELS JAPAN(一般社団法人日本ビオホテル協会)が認定しています。
BIOホテルは環境や宿泊ゲスト、さらに従業員の健康などに意識を向ける志の高いホテルのことで「BIO」はドイツ語でオーガニックを意味します。

  1. 食:食事や飲み物はできるだけ地元から調達し、完全オーガニックであること。トレーサビリティがとれている食材しか使わない。そのため、地域の信頼できる生産者とのネットワークづくりを大切にする必要がある。

  2. コスメ:コスメ(シャンプー・石けん・スキンケア等)などもすべてオーガニックであること。タオル、ベットリネン類、さらには、施設の建材や内装材も可能な限り自然素材を使用していること。

  3. エネルギー:再生可能エネルギー100%使用など、CO2排出量を継続的に削減していくための取り組み。水などの資源の効率的な使用、ホテルの紙類は全て再生紙またはFSC認証紙のみなど、徹底的に環境への負荷低減を行っている。

どちらも環境に配慮する点については同じですが、サステナブルホテルは、環境、社会、経済の側面を総合的に考慮した持続可能なホテルで、BIOホテルは有機農産物や自然エネルギーの利用に重点を置き、さらに厳しい基準をクリアしたホテルです。


【事例】
●サステナブルホテル

  1. ホテルニューオータニ東京  https://www.newotani.co.jp/tokyo/
    1万坪の日本庭園や屋上緑化を備えるなど、創業時から自然保全の取り組みを行っています。
    厨房から出る排水の中和・リサイクル。館内で出た生ごみの有機堆肥化。
    循環システムを利用した省エネ化。地球環境・健康・おいしさに配慮した食材の活用、グルメの提供

  2. GOOD NATURE HOTEL KYOTO  https://goodnaturehotel.jp/
    健康的で良いものを楽しみながら取り入れる”GOOD NATURE”をコンセプトにした、複合商業施設型のサステナブルホテルで、WELL認証(健康や快適性の観点から空間を評価するシステム)に世界で初めて認定されました。
    京都の工芸品や食品などを活用した地産地消活動。心身の浄化ができるアクティビティ体験の提供。”大緑化壁”や”枯山水”など、緑や自然を感じられる空間の設置
    使い捨てプラスチック製品の廃止。オーガニック素材製品やオリジナルオーガニックコスメの使用

  3. 横浜ロイヤルパークホテル https://www.yrph.com/
    「ハラール認証」を神奈川県内のホテルで唯一取得するなど、世界情勢や多様化するニーズに合わせたサービスを提供しているホテル。横浜市が定めたSDGs認証制度「Y-SDGs」を取得しています。
    生分解性ストローの使用。浄水処理した雑排水・厨房排水のトイレ洗浄水への再利用化。国際フェアトレード認証を受けたワインやコーヒーの導入。廃棄されてしまう花をブーケにして販売するロスフラワーの削減。

●BIOホテル

  1. カミツレの宿 八寿恵荘 https://yasuesou.com/ 
    八寿恵荘は国産カモミールのスキンケアブランド「華密恋(かみつれん)」から生まれた宿。 八寿恵荘のお風呂「華密恋の湯」には独自製法で抽出したカミツレエキスをふんだんに入れ、 アメニティには華密恋のすべての製品が揃っています。
    2015年に日本国内初のBIO HOTEL認証を受けた
    自社オリジナルのカモミールにこだわったアメニティ
    オーガニックコットン製の寝具
    地元の無垢材など自然素材を使った建物
    副産物や間伐材の木質チップによるボイラー稼働
    自社農園の無農薬野菜を中心のメニュー、化学調味料は不使用

  2. おとぎの宿 米屋 https://e-yoneya.com/
    2016年4月にBIO HOTELとして認証されました。
    天然温泉を備えた日本で初めてのビオホテル
    本格的な料理と設備が充実
    食事に使う食材、ドリンクの各品目もオーガニック認証のものを用意
    世界的にオーガニック認証を受けたコスメを完備
    大浴場や部屋付き露天風呂の温泉水を、給湯や冷暖房のエネルギーに変換するシステム

  3. Auberge erba stella  https://www.erbastella.com/
    北海道初のBIO HOTEL JAPAN認定を受けた宿です。
    全3室の小さなオーベルジュ
    無農薬無肥料で栽培した自家菜園の食材を中心に使用
    肉や卵、乳製品など道産のものやオーガニックものだけを厳選
    野菜ソムリエプロの夫婦が丁寧に仕上げた料理
    旭川家具ブランドの手作り家具やアンティーク無垢材のフローリングを使用

いかがでしたか。普段の生活を離れ、旅という非日常の中で地球環境に想いをめぐらし、人や自然に優しい暮らしを体感するのも良いですね。是非この夏は楽しい思い出作りをしてください。


記者 岩松美千子